みなさんは【国民健康保険】というのをご存知でしょうか。
略して【国保】(こくほ)というのですが、病院を受診したときに3割負担になるための健康保険証のことです。
国民健康保険証は病気やケガをしたときに病院を受診したい場合、窓口での医療費負担が3割(高齢者は1割)にするためのものです。
生まれてすぐの乳児から高齢者まで国民全員が持っている証明書とは国民健康保険証以外にありません。
医療費を下げるための国民健康保険証ですがメリットとデメリットがあります。
健康保険証は3種類あり、後述しますが国保の加入率は23%程度と5人に1人が加入しています。その国民健康保険証のデメリットが以下の通り。
保険料が高いんだよ!
そう、高いんです。
国保は各市町村の自治体で管理していますが、母体が小さいためか全国的に割高な傾向があります。
会社員であれば会社が半分払ってくれて家族全員が負担なしで加入できる【厚生年金や協会けんぽ】のメリットを考えると国民健康保険は余計に損した気分になるのです。
ではそんな国民健康保険を【安くする方法】や【裏ワザ】は存在しないのでしょうか?
以下にまとめていますのでご覧ください。
健康保険証の種類
国民全員が持っている健康保険証は全部で3種類あることをご存知でしょうか。
1.国民健康保険(下記以外の全国民が加入)『国保』
2.共済組合保険(公務員であること)『共済』
3.全国健康保険(一定規模以上の会社に勤める従業員であること)『協会けんぽ』
が存在します。
公務員であれは自動的に2に加入していますし、会社勤めをしている方は自動的に3に加入しています。
その他の自営業者や個人事業主、その家族は1の国民健康保険に加入することが義務付けられています。
これを国民皆保険制度と言います。
【⇓⇓健康保険証が急に使えなくなる事例が以下の記事】
妊娠・出産を経て失業給付を受給する際には健康保険証が使えないことにご注意を!
国民健康保険に加入するメリット・デメリット
加入するメリット
医療費が常に3割負担になること。
当たり前すぎて申し訳ないのですが、これに尽きます。
どの国民も加入することができる医療保険制度ですので、所得が少ない方でも必ず入ることができるのです。
保険料の金額は世帯の所得によって決定されます。
よって世帯の収入が多ければ多いほど、また、40歳から64歳の人の数が多いほど世帯が払わなければならない保険料は高くなります。
言い換えると所得が少ないほど、少ない保険料で3割負担の恩恵を受けることができるのです。
加入するデメリット
これは共済組合および協会けんぽに加入する場合と比較すると分かるのですが、世帯の人数が多ければ多いほど保険料が高くなるのです。
※逆に共済組合(公務員)や協会けんぽ(会社員)では扶養者がいくら増えても負担する保険料は変わることはありません。
つまり1人分の保険料で妻・子・親・兄弟・祖父母など3等身までの身内を保険に加入させることができます。
本人以外の保険料は他の支払者が負担していることになります。
大きく平等に負担しているような感覚です。
これは年金にも当てはまり、国民年金に無料で加入している扱いになります。
正確には上の図のように『第3号被保険者』という扱いになるのですが、事実として掛け金なしで国民年金や健康保険に加入していることになります。
国民年金や国民健康保険加入者にはこのメリットが一切ありません!
【⇓⇓専業主婦(第3号被保険者)にしわ寄せ話があるのでご注意を】
国民健康保険料が高い自治体は?
国民健康保険は各自治体で運営されています。
なので同じ所得を得ている方でも、自治体の運営方針によっては必要な掛け金が変動します。
モデルケースとして
・夫の年収400万
・パートで働く妻の年収100万
・子どもは1人で12歳
とします。
この条件を当てはめたときに算出される保険料は以下の通りとなります。
1.神戸市 | 528,594円 |
---|---|
2.熊本市 | 484,410円 |
3.札幌市 | 483,530円 |
4.大阪市 | 470,890円 |
5.京都市 | 466,069円 |
6.名古屋市 | 463,527円 |
7.北九州市 | 462,470円 |
8.堺市 | 459,298円 |
9.福岡市 | 454,100円 |
10.仙台市 | 445,015円 |
11.広島市 | 442,069円 |
12.浜松市 | 436,285円 |
13.新潟市 | 434,560円 |
14.岡山市 | 434,560円 |
15.川崎市 | 414,861円 |
16.千葉市 | 393,200円 |
17.横浜市 | 388,964円 |
18.さいたま市 | 383,635円 |
19.静岡市 | 383,354円 |
20.相模原市 | 342,971円 |
(引用:国保の計算方法 | 国民健康保険料の計算、国民健康保険と健康保険任意継続との比較など!)
このように比較的大きな都市部が保険料は高い傾向があることが分かります。
⇩各自治体の保険料を調べたい場合はこちら
国民健康保険計算機|全国の市区町村の国民健康保険料を自動計算できる
国民健康保険料を安くする方法と裏ワザはこちら
公務員や会社員を退職する場合、すぐさま国保に加入しなければならないのでしょうか。
普通に考えれば公務員や会社員の身分がなくなるのでその場合は国保に入らないと健康保険証が使えません。
しかしその場合だと前年の収入が高いため国保が割高に算出される場合があります。
しかし、実はちょっとした安くする方法と裏ワザがあるので紹介します。
パターン①:退職後も”任意継続”
先ほど述べた通り、公務員や会社員である場合、妻や子供の扶養者は3号非保険者として年金や健康保険に加入させることができることがメリットとしました。
しかし、退職すればその権利はなくなります。
退職したらすぐに国保に加入
⇓
退職時の年収が高い+扶養者も複数いる(妻、子どもや実親)
⇓
国保保険料が高く算出される
という結果になります。
それを避けるために任意継続という制度があります。
それは退職から20日以内に協会けんぽ(または共済組合)に申請をすれば2年間の間、保険料を支払うことによって継続して協会けんぽの健康保険に加入することができます。
案内は以下のリンクです。
これは国民健康保険の支払いが、退職したにも関わらず割高に計算されてしまうことを見越しての緩和措置にあたるものです。
保険料は退職前の2倍になります。(企業が払っていた負担金分を支払うため)
ですが、それでも国民健康保険の保険料を支払うより安いのです。
特に以下の条件の場合は顕著です。
1.前年度の年収が高い
2.扶養者が複数人いる
該当する場合は任意継続した方が健康保険料が安くなる場合がありますので、退職前には一度確認を取った方がよいでしょう。
そして2年経ったのちに世帯年収が十分に低くなった時点で国民年金に切り替えると大きな負担なく健康保険を維持することが出来ます。
パターン②:給与の安い職場で一年働く
退職後のセカンドライフや第2の人生と言ったりしますが、このご時世、人生死ぬまで仕事と言われていたりもします。
退職して、悠々自適の生活を送るのはいっこうに構わないのですが、その前に再雇用嘱託制度などで雇ってくれる職場で一年だけ働くのは大いに【アリ】です。
なぜかというと、国保は前年度の所得で保険料を決定するので、退職の翌年は健康保険料は高いのです。
その間は、再雇用嘱託で厚生年金や健康保険に入っていれば、その一年で年収が下がるので、嘱託を退職後からは安くなった健康保険料で済みます。
国保は高い!
『国保は高い!』と地方自治体の選挙でもよく争点になったりします。
それくらい国保の運営に各自治体とも苦労しており、結果として保険料という形で市民に跳ね返ってきています。
とくに退職した高齢者やフリーランス・個人事業主とその家族の方には縁の深いお話ですで、頭の片隅で覚えておいてほしい制度です。
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