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【0から学ぶ消防設備】京都アニメーションに消防設備はあったのか?法律面から検証します

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一般の方には馴染みがない【消防法】

普段の生活ではあまり耳にすることはありません。

 

ですが町の消防士さんたちは消防法が存在することによって、すべての地域に存在して、万が一のために備えています。

 

  • 火事のときの消防車
  • 体調が急変したときの救急車
  • 人命が危険な場合の救助工作車

 

すべて【消防法】に基づいて地域に適切に配備されているのです。

 

そんな消防法のなかで多くのページを割いているのが【消防用設備】です。

 

一般の方からすると

"消防用設備"ってなにそれ?

という反応が返ってくるかと思います。

 

身近な例でいうと、上のイラストのように左から「消火器」「屋内消火栓」「誘導灯」は誰でも目にしたことがあるでしょう。

しかし、「使ったことがある」「使い方を知っている」方はごくわずかです。

 

そして凄惨な事件が起こってしまった京都アニメーションの事件。

あの建物には消防用設備があったのでしょうか?

なぜあそこまでの事件に発展したのでしょう?

 

この記事では消防用設備をまったく知らない方向けの記事になります。

分かりやすい解説に心掛け、消防用設備が広く身近な存在であることを知っていただけたらと思います。

 

 

消防用設備はどの建物にも設置されている

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⇓前の記事では人が出来る防火対策として避難訓練の重要性を紹介しました。

www.worker-ant0818.work

 
避難訓練とは人が行う「ソフト面」の防火対策です。

 

では「ハード面」の防火対策はどうなっているのでしょうか?

 

建物には大きなものから小さなもの、不特定多数の方が出入りするものや建物の用途によって様々な使い方があります。

そんな建物を細かく細分化して、それぞれの建物に適した「ハード面」の防火対策を行うことができるのが消防用設備です。

 

建物は自宅以外の用途で使われており、複数の人が使用するものが対象です。
ほとんどの建物が消防法(消防用設備)の対象と思っていいただいて問題ありません。

 

※対象外・・個人の住宅や倉庫、長屋のアパート
※長屋のアパートは共有廊下がないため対象外

これ以外の建物はすべて消防用設備を設置しなければならない対象として扱われます。

 

消防用設備とは?

 

消防用設備でメジャーなものは「消火器」「誘導灯」です。
この二つは誰でも見たことがあるでしょう。

しかし、消防用設備は他にも多岐に渡ります。
以下のとおり、消防用設備をグループ分けして説明します。

 

警報系

  • 自動火災報知設備

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  • 非常警報設備

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  • 非常放送

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  • 火災通報装置

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避難系

  • 避難はしご

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  • 避難すべり台

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  • 救助袋

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  • 緩降機

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  • 誘導灯

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消火系

  • 消火器

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  • 屋内消火栓(屋外消火栓)

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  • スプリンプラー設備

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  • 泡消火設備

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  • 移動式粉末消火設備

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消火活動上必要な設備

  • 連結送水管

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  • 非常コンセント

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  • 排煙設備

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    以上のように写真付きで紹介しました。

よく見てみると見覚えがあるものも多かったのではないでしょうか。
写真を見てもらえると伝わりそうなものをピックアップしましたが、他にも細かな規定のもと、さらに多くの消防用設備が存在します。

 

消防用設備の維持管理方法

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消防法に基づいて設置される消防用設備は設置したら終わりではありません。
火事はいつ起こるか分かりませんので、いつでも使えるように日頃からメンテナンスをしておく必要があります。

 

それはただ単に自分の手で消防用設備を拭いておくというレベルではありません。

専門の業者に依頼して、半年に一度機器点検一年に一度総合点検を受ける必要があります。
点検を実施すれば、その結果を消防署へ提出する義務があります。

 

点検の結果、消防用設備に不備が見つかれば即時に改修義務が発生します。

いつまでたっても改修しなければ消防署から警告が言い渡されます。

それでも放置すれば30万円以下の罰金が科せられることもあります。

 

建物の用途が途中で変更した場合は?

 

始めは事務所ビルとして使用するつもりだった建物を、途中から飲食店やアパレル関係の店舗が入るといった例は多々あります。

 

この場合、消防用設備にはどうしたらいいのでしょうか?

 

消防設備を設置するための要件の【建物の用途】や【収容人員】などが変更されてしまうため、改めて消防署と協議する必要があります。

そして必要な消防用設備が増えた場合は、消防署の指導に基づいて速やかに設置しなければならないのです。

 

京都アニメーションはどの設備が設置されていた?

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大きな事件となってしまった京都アニメーションではどんな消防用設備が必要だったのでしょうか?

どの消防用設備を設置するかは以下の要素から決定されます。

(カッコ部分は京都アニメーションの建物情報)

 

  1. 建物用途(事務所)
  2. 建物構造(鉄骨:準耐火構造)
  3. 階数(3階)
  4. 延べ床面積(691.02㎡)
  5. 収容人員(従業員154名)
  6. 消火活動上有効な開口部の有無(有り)

 

この要素から必要とされる消防用設備は以下のとおりです。

  • 消火器
  • 非常警報設備

 

実はこれだけなのです。

不特定多数のお客さんが出入りするような大型店舗はあらゆる消防用設備が設置されるのですが、特定の従業員しか出入りしない中・小規模事務所は非常に規制が低いのが現実です。

 

消火器だけでは簡単な初期消火しかできません。

非常警報設備は建物内に知らせることしかできません。

 

つまり放火に伴う急激な火災の拡大には、想定外と言ってもいいほど対応が困難な状況だったと言えるのです。

 

京都アニメーションでは消防用設備以外で消防法上必要とされる

  1. 防火管理者の選任
  2. 消防計画の作成
  3. 消防用設備の定期点検

 

をすべて満たしていました。
なので京都アニメーション側に防火対策上の不備は一切ない状況だったのです。

 

なぜ被害が拡大したのか?

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このように消防用設備は適切に設置しており、維持管理を問題ありませんでした。

それではなぜここまで被害が拡大したのでしょうか?

 京都アニメーションの内部について具体的な状況は分かりませんが、一般的に被害を大きくする事例をまとめます。

 

  1. 竪穴区画が形成されていない
    ⇒らせん階段が設置されているように1~3階が区画されずに吹き抜けている構造だったと思われる。その場合、火は上に上昇する速度が非常に速いので火災が拡大しやすい。

  2. 避難階段の扉があけっぱなし

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    ⇒避難階段は扉を閉めていてこそ、気密性が発揮され煙や炎を寄せ付けない機能を持ちます。しかし、よくある事例が毎度の開閉が面倒だから「歯止め」をしてしまうことです。
    これでは避難階段の効果が100から0になってしまいます。
    かなり危険な行為なので絶対にやめましょう!

  3. 避難通路に物があって通れない

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    ⇒京都アニメーションのような事務所を構える会社でよくあることが、物が多すぎてそこら構わず物を寄せて置いてしまうことです。
    物を置くことはいいのですが、その先に避難扉や通路がないでしょうか?
    普段は気にならなくてもいざという時に通路を塞いでしまうことは火災において命取りになってしまいます。

  4. 消火優先ですぐに通報しない
    ⇒よくあるのですが、火災を何とかしようという気持ちのおかげで消防へ一刻も早く通報しないということです。
    事務所を守る心意気はいいのですが、順番が違うのです。まずは通報です。
    個人が消火などを行うのは限界があります。
    防火のプロに一刻も早く駆けつけてもらうよう119番をしましょう。

  5. 消防設備が故障している
    ⇒京都アニメーションは問題なかったようですが、消防設備はちゃんと維持管理出来てこそ効果を発揮します。
    消防用設備も機械です。時間が経ては故障がつきものですが、そのまま放置してしまうといざという時に作動しなければ通報や避難などに支障が出ます。
    火災では1秒が運命を大きく分ける可能性があるため、消防用設備の故障はあってはならないことです。

  6. 避難訓練をまったくしていない
    ⇒これもやってはダメな事例ですが、業務多忙を言い訳にして避難訓練をまったくやらない事業所も少なからずあります。その事業所はもちろん潜在リスクは高まります。
    火災のときに何をしたらいいのか?
    分かっていないだけで命を危険に晒します。年に1~2回の訓練です。しっかりと行いましょう。

    ⇓避難訓練についての記事はこちら

    www.worker-ant0818.work

 

このように防火対策は「ハード面」と「ソフト面」の両方が揃って初めて命を守ることが出来ます。

 

しかし、いつ発生するかも分からない火事。

忙しい日常業務。

避難訓練をしない理由はすぐにでも見つかります。

消防用設備が金食い虫なのも分かります。

 

ですが人命には代えられません。建物責任者には自覚と責任をもって、防火に対する職責を果たしていただきたいのです。