賃貸物件の修繕費について書いてみたいと思います。
管理費と修繕費は物件によって違うので注意が必要です 。
管理費にあっては業者の良し悪しによるので
めぐり合わせによるところがあるのですが、
修繕費にあってはある程度自分でいくらくらいかかりそうか見極めることができます。
修繕費は毎月、管理組合が管理のもと積立てられるのですが、将来的にかかる費用が多ければ多いほど、積立てた修繕費が底をつき修繕費の大幅な追加につながります。
もしくは、予定していた大規模改修が実施できなくなり、建物の劣化が進んでしまうといったことが想定されますので注意しなければなりません。
修繕費がかかる建築物の6つの特徴
①海辺に近いか
基本的に海辺に近い物件は避けたほうがいいです。
潮風が劣化を進めてしまうからです。金属部分のサビつきかたが通常よりかなり早くなるのは間違いありません。
オーシャンビュー希望の場合は、修繕費がかかる物件であることを覚悟する必要があります。
②エレベーターが何基あるのか
使用者側からしたらエレベーターはいくらでもあったほうが便利なのでいいに決まっています。
ただ、メンテナンスする側からするとエレベーターほど費用が掛かる建物設備はありません。
http://courage.wp.xdomain.jp/?%20p=553(参照:エレベータ保守点検費のからくり!)
メーカーや契約方法によって、費用の差はありますが年間でウン十万かかる設備です。
それが2基3基となると、費用が2倍3倍となるわけです。
定期的に点検することが法で定められていますので、出費は大きいです。
③外壁がタイルの建物
タイル自体が施工費として高くなります。
細かいタイルを何千枚と貼って外壁ができるのですが、施工が悪かった場合、 経年劣化とともに一部が剥がれたりします。
一部を施工し直すとしても、タイルの色が同じ「白」だったとしても「白」同士で色の違いで浮いてしまったりと見栄えが悪くなります。
なるべく部材が大きい部材の外壁で施工が簡単な工法のものが良いです。
④機械式駐車場
敷地面積が限られた場所に建てられたマンションなどは駐車場の需要をクリアするため、機械式の駐車場を設置することが多いです。
2段式の簡易なものから地下2階・4階建ての大型なものまで幅広く設置されています。
日々のメンテナンスをしても15年~20年が寿命とされていますが、更新時期には管理者は頭を抱えてしまいます。
撤去し新規に設置し直すには莫大な費用が掛かります。
また、駐車場を利用しない住人からは不満を募られることになり、自分が使いもしないものに莫大な修繕費を充てることが許せなくなってしまいます。
⑤消防設備
盲点なのが消防設備です。
消防法に基づいて設置が義務付けられているものですが、規模が大きい物件になるほど設置が必要な設備も増えてきます。
物件を例に挙げて設置義務のある消防設備を一覧にします。
15階建ての鉄筋コンクリート造(RC造)マンションで一般的に考えられる消防設備を上げてみます。
・消火器
・自動火災設備
・誘導灯
・連結送水管
・スプリンクラー
・屋内消火栓
・避難ハッチ
・非常コンセント
・泡消火設備(地下駐車場などの場合)
などです。
建物構造によって不要な設備もありますので、すべて設置が必要というわけではないのですが一つ一つが高額です。
エレベーターと同様、定期的に点検が必要になりますし、不具合があればすぐに改修しなければ消防署から違反通告を受けることもあります。
消防設備自体が法に守られている分、閉塞的な業種です。
つまり割高な設備なのです。
⑥高圧受電設備
多数の世帯が居住するマンションは高圧で電気を受電するため、高圧受電設備が設置されています。
これは生活に直結しますので不具合があればすぐに改修が必要です。
更新目安は20年と言われていますが、これも多くの部品が高いのです。
直さないわけにはいきませんので、修繕積立費が減る一つの原因です。
⑦エントランスにアクアウォールがある雰囲気がいいマンション
タワーマンションに多いですが、アクアウォールはマンション不要です。
水回りのメンテナンスはお金がかかるのです。
生活にかかる関係の水回りは仕方ないですが、全然関係ないエントランスにお金をかける必要はありません。
日々の清掃やポンプが故障などしたら修繕したりと、金食い虫な設備でしかないですね。
⑧部屋数が少ないマンション
マンションの設備とは関係ないですが、間接的に修繕積立費が左右されるのが一棟当たりの部屋数です。
話は単純でマンションには一定の金額が必要で、それを各戸の住民が毎月積み立てるわけですが、
積み立てる戸数が少なければ修繕積立費も高くなるというわけです。
お金がかかるマンションとは?
以上の8つの項目が修繕費で大きな支出を伴うものです。
マンションの管理費・修繕費が年数が経つに伴って高額になっていくのは、追いつかない点検メンテナンス費用のためなんですね。
その他にも人件費や日々の清掃費など毎月支出するものも含め、マンション管理には莫大な費用がかかることになります。
なるべく費用を抑えるためには8つの項目が比較的簡易な物件を選ぶことは重要な点だといえます。
ちなみにその逆で一番お金がかかるマンションは海辺のタワーマンションという結果に行きつきます。